コモディティ化するリゾート

仕事で上京していた両親と強羅温泉に一泊してきました。今回の旅館がなかなか面白いところだったので、記録。
季の湯 雪月花

以前、彼氏と湯本に行ったときに通りかかって、新しいオシャレな旅館があるなー、でも超高そう…と気になっていたのです。今回は親のオゴリということなので、私がリクエストして宿泊することになりました。だけどいざ予約を入れてみると、思ったよりもずっとリーズナブル。到着してすぐその理由が分かりました。


この旅館の一番の特徴が、日本旅館お家芸ともいえる「懇切丁寧な人的サービス」を出来る限り排除しているということ。チェックイン後に部屋まで案内もしてくれないし、勿論お茶も入れてくれたりしない、部屋の掃除やベッドメイクもデフォルトでは無し(希望すればやってくれる)、夕食も部屋食じゃないし、ロビーの茶飲み処の珈琲もセルフサービス。

だけどスタッフはつっけんとんってわけじゃなくて、こちらから何か言えば、とても真摯に対応してくれるのです。さらに、みんな笑顔でハキハキしていて非常に心地よい。

そして、ちょっと嬉しい無料サービスの数々で、なんとなくお得感!

  • ロビーではいつでも珈琲飲み放題。
  • 個室岩盤浴
  • 夕飯はしゃぶしゃぶコースにしたんですが、なんとお寿司とてんぷらが食べ放題。
  • 夜10時以降、ロビーの茶飲み処で中華そばが食べられる(おいしかった!)。
  • 朝風呂に行くと、冷えたヤクルトが置いてある。

私は、旅館スタッフの過剰なおもてなしが鬱陶しいと思うことがあったくらいなので*1、今回はとても快適に過ごすことができました。レストランなんかでの店員さんとの会話を楽しむ、くらいなら大丈夫なんですが、どうしても旅館のように長い時間を過ごす場所では、パーソナルな領域に踏み込まれることを警戒してしまう現代人的な心理があったと思います。かゆいところは自分でかくから、ほっといてくれ、という若者のニーズにあったビジネスモデルだなーとちょっぴり感心しました。

それにしても、入れ物だけは立派な伝統的旅館なのに、蓋を開けると極度に標準化されたサービス体制、っていうアンバランスが、何だか面白かったなぁ。今後、リゾートにもこういうタイプのものが増えてくるんだろうか。

*1:サービス一流と言われる加賀屋旅館とか、まったく泊まりたいと思わない。お部屋まで案内される会話の中から、出身地や好みや体型を読み取られるなんて、ちょっと気持ち悪くないかな。。