行き当たりばったりの旅、一日目

土曜の朝、湘南にあるおいしいパスタ屋さんにお昼を食べに行こう、と
ちょっとしたドライブに出かけました。
意外と早く到着し、すぐに食べ終わってしまったので、所在をなくした私たちは
「せっかくここまで来たし、温泉でもあびていこうか」と箱根まで足を伸ばすことに。
奥湯本にある天山という素敵な温泉へ行きました。
古い旅館の建物を改築してつくった日帰り温泉で、千と千尋の神隠しの「油屋」を彷彿とさせる雰囲気の内装や、
山に取り囲まれた露天風呂に感激。お風呂に入ったあとは、
美しい川を眺めながらお昼寝できる縁側の休憩スペースで、日差しをあびながら小一時間ほどうとうと…。
同じ敷地内にある蕎麦屋さんで絶品の鴨せいろを食べたあと、
強羅のほうをちょっと見てから帰ろうか、ということに。


強羅に到着するなり車の窓を開けると、湯本とはまったく違う、硫黄の香りがする!
また温泉に入りたくなったけど、強羅周辺は明らかな高級旅館だらけの地域で、
とても日帰り入浴なんて言い出せる雰囲気ではない。
さてどうしようかと言いながら日帰り入浴ができる施設を求めてちんたら走っていると、
気づいたら芦ノ湖にいました。

もうすっかり日も暮れていたので、温泉街も静まり返っています。
芦ノ湖の水面に美しくかがやく箱根神社の鳥居を眺めていると、
なんかもー寒いしそろそろ帰ろうか、と一気にテンションダウンし、山道へ入りました。
暗〜い山道を不安な気持ちで暫くドライブしていると、一軒の寂れた民宿の看板に、「日帰り入浴」の文字が!
狭いお風呂でしたが、貸切で、熱い温泉にありつくことができました。

ぽかぽかと温まって、さぁ東京に帰ろうということになり、御殿場経由のルートを設定。
しばらく走って御殿場に着くと、ラブホのサーチライトの光線が何本も伸びている!
郊外のIC付近にはラブホテルが増えがちですが、ほんとこの辺は乱立ってかんじだった。
ただでさえラブホ業界は斜陽と聞いているのに、こんなに集中していて経営は大丈夫なのか?
と心配しつつラブホ飽和地域を通り抜けると、
一度見てみたかった御殿場プレミアムアウトレットを発見。
まだ営業時間にギリギリ間に合ったので、急いで車を止めてショッピングへ!
好みの店がたくさん入っていて、ふいにショッピング熱が急上昇!
しかし、外は完全に冬の寒さで風呂上りの私たちには堪えたし、お腹も減ってきたので、
また今度ゆっくり来ましょうということで、御殿場駅前の居酒屋で酒も飲まずに腹ごしらえ。
魚が安くておいしかった。

お腹がいっぱいになると、もう東京に戻るのがめんどくさくなっちゃって、
さっきのラブホで一泊していきましょうという流れになりました。
たくさんあったから好みのラブホが選べるねーとルンルン気分でIC付近に戻って、
一番新しくてオシャレっぽいホテルに狙いを定めて入ってみると…満室の表示が。
すごく人気のあるホテルなんだ、とビックリしながら、他のホテルも覗いてみると、
驚くべきことになんとすべて満室。えええー??どういうこと!?

慌てふためいてカーナビで付近のホテルを全て表示させ、すこし離れたところも含め
しらみつぶしにあたってみたところ、どこも満室、満室、もうほんと大繁盛でした。
ついさっき、御殿場周辺のホテルの経営事情を心配した自分が本当にばかだったと思いました。
御殿場ラブホ、おそるべし。

このままでは車中泊になっちゃうけど、もう夜も遅いし、今日はゆっくり寝たいし…
すると彼が一言「沼津言ってみる?」

そうして湘南にちょっとご飯を食べにいくだけのつもりだった私たちは、沼津に向かっていましたとさ。