ギンレイホール
あるスキャンダルの覚え書き
女同士の友情って、まさにデンチ婆の怪演の示すごとく、
愛しさと憎しみのぎりぎりの境界のようなところで成り立っている。
だけれど一方の孤独が肥大すると、そのバランスを失ってしまう。
女なら誰もが心に抱えている感情が表現されているはずなんだけど…
シーバは結局バーバラを理解することができなかった。
そして、バーバラという女の奇怪さだけがやけに強調されているこのラスト。
うーん、解せないっす。
自分をシーバに重ねるか、バーバラに重ねるか、二通りの見方があるってことでしょうか。
なんか潜在的な孤独を抉り出されたような映画でした。

◆バベル
別地点で起こっているエピソードが密接に絡み合い、一点に収束するっていうタイプの話だと思ってました。
やけに展開が遅々としているなぁ…と思っていたら、
それぞれの場所で起こっているストーリーはわずかな接点を共有するだけで、
それぞれにとって救いのあるエンディングが用意されてるわけじゃない。
見終わってすっきりする話じゃないけど、エピソードの枝葉をじっくりと味わいながら、
異文化に放り出されたときの恐怖を疑似体験していると、あっという間。
ワイドショーでしか見たことなかった菊池凛子が意外と良かったなぁ。
孤独は一緒に楽しんだり肌を寄せ合ったりして解消されるものじゃない。
絶望的なんだけど、チエコがそこから何かを学んだのは確かだ。
しかし放置されているメキシコエピソードが気になる。